2021年 2月

昨日の岡山市議会代表質問、非常に画期的な一日となった。
まず田口議員の自民党政隆会の代表質問で路面電車環状化の費用負担についての市長答弁では、「岡電に早急な路線認可申請を求めたところ、完全公有民営しかないとの回答だった」と明かした。田口議員は「駅前乗入れでは岡電が費用負担をするとのことで、市議会でも認めたが、同じ延伸でなぜできないのか」と追求。二度目の追求で市長は「おそらくはコロナで公共交通事業者が危機に陥っているからだろう」と答弁したが、市長も議員も公共交通のコロナ危機については認識が甘いと感じた。
元々岡電の電車の売り上げは5億円あったが、宇野バスの100円運賃の影響で値下げしたので、年間1億円の純利益を失い、岡電はMOMO導入後、全国的にも低床電車の少ない事業者になっている。全く再投資ができなくなっている。まして駅前乗入れの投資、よくぞ現状で引き受けたと思う。市民会館環状線はたった600mの延伸で、9億円で済むとは言え、年商4億円の岡電が3億円も負担できるはずはナイデハないか。すべての経費を抑え、人件費を抑え、利益をしぼりだそうとして出来ず、コロナで3割も落ちたら年間1億円以上の赤字になっているはずだ。
しかも環状線を別系統で走らせるなら、15分に1本でも最低2篇成を入れる必要がある。予備車はほとんどないし、おまけに3億円もする低床電車を2編成入れたら6億円、これを国市の補助で入れても、高額なランニングコストと償却がかかってくるから、負担できるはずは無い。建設負担どころではない。
そこで我々全国路面電車ネットワークでコロナ後の公共交通提言書では、「バリアフリーと学割は公的負担で」と打ち出している。日本の公共交通行政は、世界的に見て、絶対的に公費投入が足りていないのに、小泉政権下でしてはいけない規制緩和をやってしまった、これは大失策であり、地方の疲弊、東京一極集中、少子化の引き金を引いている。だが政治家たちにその自覚が無い。
ちなみに新市民会館に併せての環状化、既に都心の地下はあがり始めており、周辺のマンションは1000戸も増えようとしているとか。岡山都心は全部低床電車バスという空間になれば、子育て世代の岡山都心居住はテレワーク時代にふさわしいものになる。移住定住も促進されるだろう。だから今年ラクダとしては「ベビーカーで乗り放題電車バス」キャンペーンを提案したい。
さて昨日の田中議員の共産党代表質問で「公共交通空白地域20万人のうち、4万人を解決とするだけではダメだ、公共交通支援が足りない」という趣旨の質問に対し、交通公園担当局長は「市民のくらしの質を維持するためにも公共交通手段の確保にしっかりと公費を投入する」と答弁した。この答弁を引き出したのは素晴らしい。
もう随分前に共産党さんから「岡山市の公共交通予算は少なすぎないか」と謂われて、慌てて調べてみて、僕らも愕然とした。特に高齢者補助の政令市比較では、補助実績がないのは岡山くらいのものだった。日本一バス業者の仲が悪い岡山とはいえ、ゼロだもんね。
我々はいま、一般会計の1%を公共交通に投じれば、その地域の公共交通は生き返るとの仮説をもとに、様々な政策提言・ロビー活動を行っている。岡山市の一般会計は3400億円ほどだから、差し当たり30億だが、特にバスについてはほぼゼロだった。それが昨年はコロナ禍の公共交通支援で初めて4億少々を打ち出し、来年度予算では4億円ほどの高齢者補助を初めて打ち出す。路面電車駅前乗入れや県庁通り1車線化などの投資的経費、自転車政策を含めれば、ようやくそこそこの金額になってきた。
だが昨日もふれあいセンター巡回バスの活用提案もあったが、市長は「白ナンバーだろうから、簡単にはいかない」と答弁していた。公共交通とは何も路線バスだけでなく、送迎バスやスクールバスも含めて考えるべき、というスタンスが、岡山市当局には無いのが実情だ。
自動車学校の送迎バスを見習うといい、むしろ路線バスより進んでいたりする。大学と組んで奔らせる「オカキョウ」の送迎バスなんか、交通マーケティングの鑑だね。環太平洋大学から東岡山駅経由でオカキョウでもんな。

路面電車、単線で結び環状化へ 岡山市 新市民会館周辺の概要発表 新着 2021/2/16 山陽新聞

単線環状化プランがついに登場、9億円とのこと。是非とも市民会館開業に間に合わせてほしいものだ。
RACDA20周年記念誌での図、当時の横山副市長と様々議論したのは、2015年の話だ。

記念誌の文章部分

■表町3丁目新市民会館と路面電車単線環状化

新市民会館の用地が表町3丁目に決定したが、衰退する表町には有効な活性化対策になるだろう。しかし岡山の交通の拠点である岡山駅からのアクセスは不十分で、わかりにくい。新市民会館に統合される現市民会館と小橋の市民文化ホールはともに路面電車電停が近接し、利便性は高い。
そこで現在の路面電車清輝橋線大雲寺から、東山線西大寺町までの約600mを単線でしかも歩道寄りに軌道を敷設すれば、ランドマークとしての新市民会館の価値は格段に向上する。歩道寄りに敷設すれば電停を降りてすぐに市民会館に入れるし、東西の旧2号線への交通渋滞などの影響は最小限にできる。この部分の北側1車線はすでに自転車道として利用されている。

軌道敷設工事は、富山単線環状線940mの工事費は22.3億円だから道路整備・埋設物移転など含めても15億円前後で済むのではないか。将来の岡山都心1kmスクエア環状化構想の一部先行投資とも考えられ、表町南部への投資効果は大きく、都心回遊性向上に決定的効果を持つだろう。

表町南部の千日前には音楽ライブスペースなどが点在している。もともと映画館街として、あるいは木下サーカス発祥の地なのだから、我々は昭和61年に「サーカスランド構想」を打ち出した。音楽や映画、演劇、ゲーム、サブカルチャーなどをテーマにした文化ゾーンを形成するべく、市民会館の運営にも市民参画を進めるべきだろう。

路面電車駅前平面乗入が実現すれば、単線環状化との相乗効果は大きく、城下周辺のカルチャーゾーンとの回遊性も高まる。(イメージ模型→)

 

吉備線LRT3者協議中断見通し 新型コロナで財政状況が悪化

RACDAは実質的に、吉備線LRT化の検討初期から関係してきただけに、このコロナ禍で全国の関係者と危惧していたJRグループ全体の経営危機が、吉備線LRT化の中断という形でも顕在化してきた。
非公式ではあるが、1999年の1月17日に、RACDAはJR西日本本社の関係者6人と、吉備線LRT化について意見交換をした。この時、岡山電気軌道にも声がけして、いわば仲人をしたわけである。JRは軌道事業の知見がなく、JRと岡電で吉備線LRT化について、お互いの経営数値を出し合って検討した。その成果をJRは富山港線LRT化に生かし、岡電は岐阜路面電車存続に意欲を示し、結果的に和歌山電鉄に繋がった。またMOMO導入などLRT関係諸制度も、吉備線LRT化が牽引したとも言える。
元々この検討は、少子高齢化、また経済のグローバル化の中で、新幹線に支えられたJR赤字ローカル線のリニュアル存続のために、LRT化でコストを下げて、持続可能にするためのものだった。当初JRは吉備線、富山港線、加古川線、境港線などを視野に入れていた。ご存じの通り、富山では富山ライトレールが2006年に開業したが、同時に検討が始まった吉備線は、様々な問題を抱えていた。むしろ採算の良かった吉備線がなぜ難航したか。

富山港線の場合
1.富山港線は、新幹線開通という期限があって、新幹線高架工事のために富山港線の路線の土地を使うという事情があった。

2.富山港線は赤字幅が大きく、JRとしては富山市に全面的に移管したかった
3.新幹線前提で、地域の合意が取りやすかった
4.富山市の森市長の強いリーダーシップがあった
5.富山市の公共交通はJRと民営は富山地方鉄道だけであり、合意がしやすかった
6.隣接する高岡の万葉線存続運動と、高岡市などの決断を富山市は見ていた
7.全国的支援活動で、制度面で整備が進んだ
吉備線の場合
1.吉備線LRT化には期限が無く、三門駅高架事業の陳情取り下げに6年かかり、岡山県は都市計画決定を取り止めるのに、岡山市が政令市になるのに併せた移管でようやく具体化に向かった。
2.吉備線は少しコストを下げれば、JRでも運行可能であり、経営手放す決断には至らなかった、つまり廃止の危機がなかった。
3.新幹線開通に比べて、地域の最優先課題ではなかった。
4.現・大森市長登場の8年前までは、一歩一歩の進展で、技術的検討までしかできなかった。総社市長は当初から「岡山市がやるなら、付いていく」と一定の理解を示していたが、財政規模や路線長さでは、岡山市の決断次第であった。
5.岡山市には計画当初でも8つのバス会社があり、新規参入もあって、岡山市もバス問題に随分手間を取られた。また「路面電車化」の言葉が、岡電両備グループを利するのでないかという、財界的事情で反発も起こっていた。
6,吉備線LRT化の仕掛けは、富山ライトレール開業に併せて、2003年から地元9連合町内会で22000もの署名を集めて、RACDAもその仕掛けを行ったが、地元で主体的市民運動は起こらなかった。また総社市では終始傍観者的意見が多かった。実のところ、総社市の人口が増えているのは、岡山市と倉敷市に近く、両線の便数が合計で60便近くあり、吉備線の存在も大きく貢献しているはずだが、総社市民にはその意識はなかった。今後の展開では、総社市のテンション維持が課題となる。さてJR西日本は分割民営化で、本当3社の中では一番赤字ローカル線が多く、しかも上場以後、外国人株主が30%近くにもなる予測のもと、吉備線のLRT化に取り組んできた。だが自分からやるやるというわけにはいかず、あくまで「地元の要望があれば検討する」という姿勢であった。それでも2018年の岡山市・総社市・JR西日本の3社合意は、「岡山市・総社市が保守費用1億円の半分を出す」という、ランニングコストの一部自治体負担という決断は画期的だった。JRが赤字ローカル線の維持に、再投資をするという新しいスキームが出来たと我々は評価していた。廃止が検討された路線では、今までも事例は沢山有るが、吉備線の場合は一度も廃線が検討されたことはなかったのだから。

JR西日本もコロナで新幹線が大打撃となった状況では、とりあえず計画中断はやむを得ないところではある。今回のダイヤ改正では、吉備線はLRT化に向けて、昼間増便して30分ごとのパターンダイヤに取り組んでいただけに、残念だ。だが一方で赤穂線、山陽線でパターンダイヤが崩れるという事態が起こっており、RACDA  としては、吉備線が頑張っても、岡山都市圏全体としては、大問題だと各自治体に指摘し、年明けには瀬戸内市、赤磐市、和気町などがJRに対して、減便中止を要望し、岡山市も同行した。
この問題については、富山ライトレールの開業と同時に、高山本線増便実験をした富山市の例が参考になる。7便の増便で富山市は年間4000万円を負担している。もはや現状では、バスと同様にJRの路線便数の維持に、自治体が一部負担する仕組みが必要になっている。岡山市も都市規模からいえば、2億円程度の毎年の負担をJRに対して行うべき時期に来ているだろう。

もう一つの問題は、当初は150億円程度を見こんでいた(あくまでも非公式、内々の検討時点)のが、240億円にふくらんだこと。そもそも岡山市の中環状線の立体交差事業に160億円かかり、そのうち吉備線を高架で越える費用が90億円だったが、JRは踏切がなくなるだけで6億円も負担することになり、難色を示していた。それならば90億円をLRT化に使った方がよかろうというのが発端だった。
ところが、関西高校前の交差点処理について、大正時代に作られた軌道法や鉄道事業法などに縛られて、信号処理の為には軌道にしないとできない、と岡山市は主張するのだが、欧米の例などでは、こういう場合はむしろ制度や仕組みを変えて、なるべく安く上げようとするものだ。どうも日本のLRTは「鉄道の改良」という意識が少ない。それは街路事業が道路屋さん事業になっていることが原因だろう。
本来吉備線LRT化は多頻度運行し軽量化して保線コストを下げ、バリアフリー化することがポイント。無理に街路事業にすることはなく、なるべく鉄道のままでいいはず。極端に言えば、三門駅の踏切部分の数十mだけを軌道法にするというウルトラCもありなのではないか。結局国道180号線に軌道を引くという大事業になって金額が膨らみ、用地買収も必要になって、整備期間が10年なんかになっていたから、こういう羽目になる。もっとも毎回街路事業から担当局長を呼ぶように仕向けたのも我々だから、責任は感じる。LRTについては、実は国交省でも窓口は都市局街路交通課であり、続いて道路局路政課、鉄道局の順で、運輸系の陰は薄いが、それは予算規模が反映されている。事情は知り抜いてるので、再構築しようではないか。今岡山市は複雑なバスの問題に取り組んでいるが、吉備線平行の中鉄バス路線は、この間どんどん便数が減って、昨年はとうとう休止になってしまった。本来吉備線LRTてのは、周辺のバス路線の強化をしなければ、十分に機能しないのだから、早く先行してまずはフィーダー輸送の強化に取り組むべきだった。地元市議会議員が何回も何回も、こうした質問をしたが、岡山市もJRもバス会社も全然反応していない。LRTの意味が分かっていないなと謂うのが我々の本音だ。
ともかく、今後RACDAとしてはもう一度、一番事情を知り抜く立場として、事業の再構築に取り組んでいく。

サノコレ(バスのイラスト) (bus-illustration.blogspot.com)
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