2024年 2月

中国でTOD(公共交通指向の都市開発)に脚光 不動産バブル崩壊後の「救世主」になるか 新着2024-0208次世代中国
中国ではTODを急速に進め、この1年では800kmを建設。しかしそのモデルは日本の東京大阪といえるだろう。

先週末行われた「全国路面電車サミット」には初参加でした。
これまでは路面電車愛好家中心のイベントだったとのことですが、今回は 岡 將男 さんの仕掛けで、 LRT以前に風化している都市交通政策を再起動しましょう、と 何 玏 さんとのタッグで呼びかけました。
「熊本から今いちど真面目に都市交通~めざせ『車1割削減、渋滞半減、公共交通2倍』~」
「都市交通政策の復権を求めて~活性化再生法時代をいま振り返る~」
■手段と目的
「手段が目的化」と蔑むのは簡単ですが、手段を打ち出すことで、メッセージがわかりやすくなり、活動の温度が上がり、リソースを集中できるのもまた事実です。スコープの切り取りが肝要。
手段と目的は、例えば↓のように階層化できるでしょう。
LRT ~ 鉄軌道 ~ 都市(公共)交通 ~ まちづくり ~ Well-Being?
■LRTと都市(公共)交通
ある時点(2000年前後)では、「LRT」という切り口で、愛好家、市民団体、都市行政がまとまって突破口が開けたのでしょう。
しかしその時代を知らない私からすると、遅れ放題で減便続きのバスや、旧態依然な鉄道を放置しながら、なぜこうもLRTに特化して活動しているのか、理解しがたい場面は多々あります。
■都市交通とまちづくり
同じく2000年前後から、「交通まちづくり」という言葉が生まれ、「交通は派生需要」「まちづくりと交通をセットで考えるべき」的なことは今でもよく言われます。
しかし地方大都市で、市民の日々の苦しみである渋滞問題が放置され、公共交通分担率が下がり続けているさなかに、「交通まちづくり」のワークショップでアイディアを出し合い実行せず、公共交通分担率6%の街で「ウォーカブル」を語り、「グリーン・スロー・モビリティ」が空気を運んでいるのを見ると、空虚な気持ちになります。
交通以上に価値観が多様で、利権うずまき、時間もかかる「まちづくり」に、得意でもないのに手を出しすぎるより、やるべきことが見えているならまずは都市交通でがんばるべきでは?と思うわけです。
■都市交通政策の風化
気づくと、LRT界隈は手段ゴリ推し気味のムラに、「交通まちづくり」(元都市交通)界隈はふわふわした議論のムラになっていませんか。
その一方で2010年代からは、生活支援交通の改善と流行言葉コンテストを中心とした、お金をかけない「地域公共交通」が台頭し、大都市でさえもそれが交通政策の主流になりました。
その結果、「都市交通」のスコープで進めるべき、公共交通への公共投資による渋滞などの社会課題解消という中核が、すっぽりと停滞したように見えます。もはやほとんどの都市で、公共交通を劇的に増やす、なんて計画は無くなっています。
■都市交通を今いちど真面目に
LRTに限らず、「まちづくり」に広げすぎず、生活支援交通と切り分けて、今いちど真面目に都市交通をやりませんか?
スコープを広げすぎない分、社会課題にどう貢献するかは、渋滞緩和効果や経済波及効果の数字で示していけば、自己目的化せず説得力が出てきて、賛同者が増えてきています。
と、そんな話をしたと思ってます。

岡山駅バス時刻表